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【え、日本で満足してるの?】世界で評価されたTFCSと日本の科学教育|大学生のブログ|理科教育/教員の学習

大学生のブログ|教育時事#9

 

高生のダルがらみ並みのレベルの低いセールスにうんざりしているサイです。

今回は,「イギリスと日本の理科教育」というテーマでやっていきます。

 

=TFCSとは?=

  

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TFCSとは,Twenty First Century Science の頭文字を取ったもので,日本語では「21世紀科学」といったところでしょうか?

 

イギリスの義務教育段階は,KS1~KS4からなり,TFCSはKS4(日本で言う中学校・高校辺り)を対象としたプロジェクトの1つです。

 

現代社会に行動的かつ教養ある参加をするために必要な知識とスキルを獲得し育成すること」が目的とされています。

 

実は,このTFCSは世界的にも非常に評価されているんですよね~

 

=TFCSと日本の教科書=

 

TFCSが評価されている理由の1つに,「市民のための科学的リテラシー」の育成があります。

 

(科学的リテラシーは様々な人が定義しているのでここでは紹介しません)

 

実際に,TFCSと日本の教科書を比較してその違いを見てみましょう!力のモーメントの部分を比較したいと思います~

 

When you open a door, undo a bottle cap, or turn on a top, you are using the rotational effect of a force. This is called the moment of a force.

The moment of a force

You can close a door more easily if you push the outer edge, near the handle and not near the hinger. The moment, or turning effect, of your force depends not only on the size of the force, but also on its distance from the pivot. The pivot is the fixed point about which the object rotates.

(日本語訳)

ドアを開けるとき、ボトルのキャップを外すとき、コマを回すときなどは、力の回転作用を利用しています。これを「力のモーメント」といいます。

力のモーメント

ドアを閉めるときは、蝶番の近くではなく、取っ手の近くの外周を押すと閉まりやすくなります。力のモーメント(回転効果)は、力の大きさだけでなく、ピボットからの距離にも左右されます。ピボットとは、物体が回転するための固定点のことです。

(GCSE PHYSICS/P160)

 

 一般に,剛体に力Fがはたらいているとき,その大きさF[N]と,ある点Oからこの力の作用線までの距離l[m](これを,うでの長さという)の積Flは,剛体を点Oのまわりに回転させようとする能力の大きさを表している。

 この積を点Oのまわりの力のモーメントといい,その単位はニュートンメートル(記号N・m)である。

(数研出版/P81)

 

どうでした?こんなにも同じ内容が,違った色で扱われていますよね~

 

ひたすら自身の生活と馴染みのある内容で,力のモーメントを紹介しているイギリスに対して,文字と定義から力のモーメントを紹介している日本といった感じでしょうか。

 

興味深いですよね。教科書からも「日本」らしさが出ています。

 

教科書1つとっても様々に議論はできるにですが,ここでは1つだけ...

 

TFCSは身の回りの内容を多く取り扱っているので,学校を出た時にも科学が生活とつながっていそうです。一方,日本の教科書内容はテストや入試に通じるものが多いので,学校内で子どもと科学の関係が終わりそうです。

 

日本の教員は,授業研究に多くの時間を費やしていると言います。このように,海外の教科書にも目を通してみると,色々な発見がありそうですね!

 

以上でーす。